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何で夢中になれないの?――あの「楽しさ」を仕事でも仕事が「つまんない」ままでいいの?(12)(3/3 ページ)

学生時代、夢中になったことはありますか?それを仕事に生かせたら、今より楽しく感じられるかもしれません。仕事の不満や悩みを解消するヒントをお届けする本連載。今回のテーマは「夢中を仕事に生かす」です。

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「要素」の見つけ方と「関数の再利用」

 楽しさの「要素」を見つけるためには、筆者のように過去に夢中になっていたことを実際にやってみるのが最も手っ取り早いでしょう。「そうそう、この感じ!」と、すぐにつかめます。

 実際にやってみるのが難しければ、過去の体験をリアルに思い出してみるのもいい方法です。ある説によれば、「脳は現実とイメージを区別しない」といいます。実際、楽しかった部活やサークルのシーンを思い浮かべると、今、この瞬間、実際に体験していなくても、楽しかった感覚や感情がよみがえってきますよね。

 ゆったりと椅子に座ってリラックスし、夢中になっていたことの具体的なシーンを一つ選んで、「それは、どんなシーンだったか」「そこで、何を感じていたか?」を思い出すようにすると、「楽しい」感覚を体験できます。

 「楽しい」感覚がつかめたら、「この体験の何に、『楽しい』と感じているのだろう?」と、「要素」を探してください。要素は人それぞれなので、自身の感覚を大切にします。

 要素の見つけ方として、一枚のチャートに書き出す方法もあります。@IT自分戦略研究所の「自分の強みを見つける問い『プログラムの何が好き?』」を参考にしてください。拙著「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする」でも解説しています。

 要素が見つかったら、その要素を生かせるシーンが仕事にないかを考えてみます。


筆者の要素〜「自分の強みを見つける問い『プログラムの何が好き?』」より再掲(クリックで拡大画像を表示します)

 ここまでの流れをソフトウエア開発で例えると「関数の再利用」に似ています。

 例えば、文章を作成するソフトと、表計算するソフトは全く異なるソフトウエアです。けれども用途が異なるソフトにも、「メニュー選択」や「ファイルの読み書き」など、機能を細かい要素に分解してみると、共通する機能があります。それを関数化、モジュール化して再利用するのは、ソフトウエア開発ではよく使う手法です。

 部活の中で感じていた「楽しさの要素」を、関数のように仕事に再利用するのです。

内面から出てくる「楽しさ」を大切にしよう

 30年ぶりに音楽に触れて感じた「楽しい」という感覚を、筆者は大切にしたいと思います。なぜなら、その「楽しさ」は外部から与えられたものではなく、内面の深いところに反応した「楽しさ」だからです。

 そして仕事でも、「成長感」「みんなでやる面白さ」「厳しさを乗り越える達成感」を感じたいです。音楽と仕事がつながっていると思うと、ちょっとうれしい。

 あなたも、部活やサークルで感じていた「楽しさ」が一体何だったのかを、あらためて探ってみてください。そして、楽しさの「要素」を見つけて、仕事に生かしてみてください。仕事には、思い通りにならないことも、悔しい思いをすることもたくさんあるでしょう。けれども、それは部活やサークルでも同じでしたよね。学生時代、それでも夢中になれたのは、何やかやいっても「楽しかったから」だと思うのです。

今回のワーク

 大切なのは、「なるほどね」で終わらせないことです。静かな場所に行って、コーヒーでも飲みながら、紙とペンを取り出して考えてみてください。

  • 過去に夢中になっていたことを実際にやってみる、または詳細に思い出してみます
  • 「楽しい」「うれしい」「面白い」といった感覚を追体験します
  • その中にある、「楽しい」と感じる要素を考えます
  • その「楽しさ」を仕事に生かしましょう
「仕事が「つまんない」ままでいいの?」バックナンバー

筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


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