“Hyper-Vの中のHyper-V”で仮想マシンを動かすvNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(33)(3/3 ページ)

» 2015年11月16日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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“Hyper-Vのネスト”は、Hyper-Vコンテナーのために必要な要素技術

 Windows Server 2016にはオープンソースのコンテナー管理ソフトウエア「Docker」と管理互換性のあるコンテナー技術が搭載され、コンテナーとして動作する「Windows Serverコンテナー」と「Hyper-Vコンテナー」が提供される予定です。Windows Server 2016 Technical Preview 3(TP3)では、Windows Serverコンテナーが初めてプレビュー提供されました。詳しくは、本連載の以下の記事をご覧ください。

 Hyper-Vコンテナーはまだプレビュー提供がありません。実は、このHyper-Vコンテナーを実行するために、“Hyper-Vのネスト”が不可欠なのです。

 LinuxベースのDockerホストは、Linuxコンテナーを実行できます。Windows Serverのコンテナーホストは、Windows Serverコンテナーを実行できるようになります。LinuxベースのDockerホストでWindows Serverコンテナーを実行することや、その逆もできません。なぜなら、DockerおよびWindows Serverのコンテナー技術は、コンテナーホストとカーネルを共有することで、アプリケーションを実行するためのサンドボックス環境を実現しているからです。

 Hyper-Vコンテナーの詳細はまだ明らかになっていませんが、おそらくコンテナーホストであるWindows Server 2016とHyper-VのホストOSとしてのカーネルを共有し、仮想マシンを実行可能なHyper-V環境を提供するものになるのではないかと想像しています(図3)。その際、Hyper-Vハイパーバイザーのサンドボックス環境を実現するために“Hyper-Vのネスト”がどうしても必要だったのではないでしょうか。

図3 図3 Hyper-Vコンテナーの想像図。Hyper-VコンテナーはWindows Serverコンテナーと同じくカーネルを実行しない分、オーバーヘッドが少ないはず

【2015年11月20日追記】

2015年11月19日(米国時間)に「Windows Server 2016 Technical Preview 4」がリリースされ、Hyper-Vコンテナーが利用可能になりました。筆者が想像していたのとは異なり、Hyper-Vコンテナーは“仮想マシンを実行可能なHyper-V環境を提供するもの”ではなく、コンテナーを分離環境で実行するためのもののようです。


「vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目」バックナンバー

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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