谷川さんの面接に対する意識を確認するため、私はあらためて詳細なヒアリングをしました。すると、谷川さんの面接には、下記のような問題点が見つかりました。
面接の時間は長くても1時間程度です。数回の面接で、疑問や不明点がすべて解消できることは少ないと思います。入社したいと思う会社ですから、気になる点や疑問点があるのは当然ですよね。
上記のような問題点を解消し、かつ面接官に熱意を見せる意味で、面接の最後にはぜひ「逆質問」することをお勧めします。
求められている経験やスキル、人物像について具体的に質問することで、転職後のミスマッチを防ぐことができます。そのやりとりの中で、自分の資質や強みを存分にPRできれば最高ですね。
谷川さんについては、例えば下記のような質問が有効だと思います。
「現職ではインフラ系の経験があり、今後もこの経験を生かしたいと考えているのですが、御社への貢献につなげることができるでしょうか?」
「この仕事で最も求められる資質(人物像)はどのようなものでしょうか?」
「御社で活躍するために、私のこれまでのキャリアやスキルで足りないもの、補うべきものはございますでしょうか?」
「私と同年代(もしくは中途採用)で実際に活躍されている方には、どのような方がいらっしゃいますか?」
「具体的な業務の流れについて教えていただけますでしょうか?」
「配属先部署の社員の方々は、どのような構成になっているでしょうか?」
「入社までに準備・勉強しておくべきことがあればぜひ教えていただきたいのですが」
谷川さんは企業研究と応募ポジションの確認をしたうえで「逆質問」を準備し、2社目以降の面接に挑みました。今度は大成功で、複数社の内定を勝ち取ることができました。
これは谷川さんだけではなく、意外に皆さんもしてしまいがちな失敗ではないでしょうか。「そんなことは分かっている。自分は大丈夫!」と思っている人も、念のためチェックをしてみましょう。
下記のポイントも参考にしてみてください。
準備した質問が、面接中のやりとりで解決してしまうことも考えられます。質問はできるだけ多めに準備しておきましょう。
面接官がどのような役職・立場かによって、見ているポイントは異なります。人事担当者であれば人間性や意欲、会社との相性、現場の社員であれば経験やスキル、部署の雰囲気とフィットするかなどです。それによって、質問の内容を考えなければなりません。
残業、休日、年収、昇進……。気になるのは当然ですが、聞き方やタイミングが悪ければ、仕事に対する考えや姿勢を疑われてしまうこともあります。注意しましょう。
以上のようなことを踏まえ、ぜひ有意義な面接にしていただきたいと思います。
アデコ 人材紹介サービス部 コンサルタント
1969年生まれ、大阪府出身。私立理系大学卒業後、精密機器メーカーにてソリューション提案営業を経験し、2000年にアデコへ入社。現在、IT系人材・ITエンジニアを専門にキャリアコンサルティングを担当。営業としての観点とキャリアコンサルタントとしての経験から、1人1人のニーズをくみ取り、的確な情報提供・アドバイスをすることを念頭に転職支援を行っている。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格取得。
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