エンジニアに大人気のQ&Aサービス「Stack Overflow」の使い方を「日本語で」分かりやすく説明するシリーズ、今回は「Badge(評価システム)」の解説です。
技術系のQ&Aサイトとして世界的に有名な「Stack Overflow(スタックオーバーフロー)」の解説記事、第1回は概要と登録方法を、第2回は質問と回答の方法を説明しました。今回は、知っているとサイト閲覧がもっと楽しくなる、スタックオーバーフローの評価システム「Badge(バッジ)」を解説します。
スタックオーバーフローの「バッジ」とは、定められた一定の条件を満たすと、サイトから貢献の証として付与されるものです。
バッジは金銀銅の他、カテゴリ別にも分類されています。カテゴリの種類を見てみましょう。
カテゴリ | 意味 |
---|---|
Question Badges | 質問に対して付与されるバッジ |
Answer Badges | 回答に対して付与されるバッジ |
Participation Badges | サイトへの参加意識に対して付与されるバッジ ※1 |
Tag Badges | wiki(編集機能)で一定のスコアを得たユーザーに付与されるバッジ |
Moderation Badges | サイトへの貢献度に対して付与されるバッジ ※2 |
Other Badges | その他 ※3 |
※1 「30日連続でサイト訪問した」「10件コメントを付けた」などの参加行動に対して付与されます。 ※2 「Moderation」の意味は「節度」。一定量の質問や回答を編集したり、はじめての投票者となったりなどの、サイトを活発化させるきっかけを作ったユーザーに付与されます。 ※3 サイトの全ての説明ページに目を通している、質問のリンクを一定量以上シェアした、などの行動に対して付与されます。 |
バッジにはその意味を定義する名前が付けられています。これがまた、英語ならではの遊び心たっぷりのネーミングなのです。私が特に面白いと思った「Moderation Badges」のバッジ名をいくつか紹介しましょう。
スタックオーバーフローには「flag(フラグ)」という、不適切なコンテンツを通報できる機能があります。これらは、その性質にちなんで作られたバッジたちです。
「Citizen Patrol」は「市民パトロール」。最初にフラグを付けた人に付与されるバッジです。「Deputy」は「保安官」((「Deputy sheriff」の略))。有益なフラグを80以上提示した人に与えられます。「Marshal」は「警察署長」。有益なフラグを500以上提示した人に与えられます。
「Civic Duty」は「市民としての義務」。300回以上「vote(投票)」している、サイトの運営への参加意欲の高い人に与えられます。
ユーザーとして一定の評価を得ると、サイトの投稿をより良くするための「review(レビュー)」を付けられるようになります。
「Custodian」は「管理者」。レビュー作業を1回した人に付与されます。「Reviewer」は「レビュアー」。レビュー作業を250回完了すると、付与されます。「Steward」は「執事」。レビュー作業1000回(!)完了で与えられます。面倒見の良さそうなネーミングですね!
「Excavator」は「発掘者」。6カ月以上動きのない投稿を初めて編集した人に与えられます。「Archaeologist」は「考古学者」。6カ月以上動きのない投稿を100回編集した人に付与されます。これもかなりユニーク、プロフィールページに表示させてみたいですね!
「Sportsmanship」は「スポーツマンシップ」。自分がした質問の回答で高評価が付いたもの100件を「vote up(投票して表示順位を上げる)」した人に与えられます。恩は恩で返すという、高潔な精神の現れでしょうか。
「Taxonomist」は「分類学者」。オリジナルで作成したタグが、50以上の質問で使用されると与えられます。「Vox Populi」は「世論」。1日に40回(※4)voteを行うと付与されます。
※4 1日のvote回数には制限があり、ユーザーの状態によって変化します
他のユーザーがどんなバッジを持っているのか、どこを見れば分かるのでしょうか? ある質問を見てみましょう。
ユーザー名の下に、金銀銅の○印を発見! これが獲得したバッジ数です。また、左側の「5049」「152k」という数字は、ユーザー同士の「評価(reputation)」です。この2行を見れば、ユーザーがどれだけサイトに参加しているかが分かります。
質問したユーザーのプロフィール名をクリックして、プロフィールページを見てみましょう。このユーザーのサイト利用履歴が事細かに書かれています。
今回はスタックオーバーフローのプチ雑学をお届けしましたが、楽しんでいただけましたでしょうか? バッジや評価の数だけでユーザーの性質が決まるわけではありませんが、バッジの意味を知っていれば、質問や回答をする際の指標になり、サイトへの参加がより楽しくなるのではないかと思います。
次回は、オンラインでの開発コミュニケーションツールとして有名な「GitHub(ギットハブ)」を紹介します。
Nextremer 下岡聡子
Javaプログラマー、フリー翻訳者(英語・中国語)を経て、Nextremerにてインドでのグローバル受託開発システムのマネジメント、新規ビジネス企画担当。大学ではロシア語を専攻。
ITエンジニア向けの英語サービスも提供中。
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