Stack Overflow(スタックオーバーフロー)の使い方:Badge(評価システム)編海外Webサービスのトリセツ(3)

エンジニアに大人気のQ&Aサービス「Stack Overflow」の使い方を「日本語で」分かりやすく説明するシリーズ、今回は「Badge(評価システム)」の解説です。

» 2014年06月27日 18時00分 公開
[Nextremer 下岡聡子,@IT]
本連載「海外Webサービスのトリセツ」のインデックス

連載目次

 技術系のQ&Aサイトとして世界的に有名な「Stack Overflow(スタックオーバーフロー)」の解説記事、第1回は概要と登録方法を、第2回は質問と回答の方法を説明しました。今回は、知っているとサイト閲覧がもっと楽しくなる、スタックオーバーフローの評価システム「Badge(バッジ)」を解説します。

バッジって何?

 スタックオーバーフローの「バッジ」とは、定められた一定の条件を満たすと、サイトから貢献の証として付与されるものです。

トップメニューの「Badges」をクリックしてみましょう(クリックすると大きな画像を表示します)
「Badges」ページ。バッジの種類は、80種類以上もあります
ページ右側には、最近バッジを付与されたユーザー名が表示されています。
バッジ名をクリックすると、バッジを持っているユーザーが表示されます
「earned」タブをクリックすると、自分が持っているバッジが分かります

 バッジは金銀銅の他、カテゴリ別にも分類されています。カテゴリの種類を見てみましょう。

カテゴリ 意味
Question Badges 質問に対して付与されるバッジ
Answer Badges 回答に対して付与されるバッジ
Participation Badges サイトへの参加意識に対して付与されるバッジ ※1
Tag Badges wiki(編集機能)で一定のスコアを得たユーザーに付与されるバッジ
Moderation Badges サイトへの貢献度に対して付与されるバッジ ※2
Other Badges その他 ※3
※1 「30日連続でサイト訪問した」「10件コメントを付けた」などの参加行動に対して付与されます。
※2 「Moderation」の意味は「節度」。一定量の質問や回答を編集したり、はじめての投票者となったりなどの、サイトを活発化させるきっかけを作ったユーザーに付与されます。
※3 サイトの全ての説明ページに目を通している、質問のリンクを一定量以上シェアした、などの行動に対して付与されます。

ユニークなバッジたち

 バッジにはその意味を定義する名前が付けられています。これがまた、英語ならではの遊び心たっぷりのネーミングなのです。私が特に面白いと思った「Moderation Badges」のバッジ名をいくつか紹介しましょう。

保安官バッジ

 スタックオーバーフローには「flag(フラグ)」という、不適切なコンテンツを通報できる機能があります。これらは、その性質にちなんで作られたバッジたちです。

 「Citizen Patrol」は「市民パトロール」。最初にフラグを付けた人に付与されるバッジです。「Deputy」は「保安官」((「Deputy sheriff」の略))。有益なフラグを80以上提示した人に与えられます。「Marshal」は「警察署長」。有益なフラグを500以上提示した人に与えられます。

誠実な市民の証

 「Civic Duty」は「市民としての義務」。300回以上「vote(投票)」している、サイトの運営への参加意欲の高い人に与えられます。

正しい評価者

 ユーザーとして一定の評価を得ると、サイトの投稿をより良くするための「review(レビュー)」を付けられるようになります。

 「Custodian」は「管理者」。レビュー作業を1回した人に付与されます。「Reviewer」は「レビュアー」。レビュー作業を250回完了すると、付与されます。「Steward」は「執事」。レビュー作業1000回(!)完了で与えられます。面倒見の良さそうなネーミングですね!

考古学者?

 「Excavator」は「発掘者」。6カ月以上動きのない投稿を初めて編集した人に与えられます。「Archaeologist」は「考古学者」。6カ月以上動きのない投稿を100回編集した人に付与されます。これもかなりユニーク、プロフィールページに表示させてみたいですね!

スポーツマンシップも評価される

 「Sportsmanship」は「スポーツマンシップ」。自分がした質問の回答で高評価が付いたもの100件を「vote up(投票して表示順位を上げる)」した人に与えられます。恩は恩で返すという、高潔な精神の現れでしょうか。

その他、変わり種

 「Taxonomist」は「分類学者」。オリジナルで作成したタグが、50以上の質問で使用されると与えられます。「Vox Populi」は「世論」。1日に40回(※4)voteを行うと付与されます。

※4 1日のvote回数には制限があり、ユーザーの状態によって変化します

バッジはどこに表示される?

 他のユーザーがどんなバッジを持っているのか、どこを見れば分かるのでしょうか? ある質問を見てみましょう。

質問の終わりまで行くと、「編集したユーザー名」と「質問したユーザー名」が表示されます

 ユーザー名の下に、金銀銅の○印を発見! これが獲得したバッジ数です。また、左側の「5049」「152k」という数字は、ユーザー同士の「評価(reputation)」です。この2行を見れば、ユーザーがどれだけサイトに参加しているかが分かります。


 質問したユーザーのプロフィール名をクリックして、プロフィールページを見てみましょう。このユーザーのサイト利用履歴が事細かに書かれています。

質問したユーザーのプロフィールページ
「badges」タグをクリックすると、このユーザーが獲得したバッジの一覧が見られます。バッジの数をオリンピックのメダルに換算すると……スゴい!

 今回はスタックオーバーフローのプチ雑学をお届けしましたが、楽しんでいただけましたでしょうか? バッジや評価の数だけでユーザーの性質が決まるわけではありませんが、バッジの意味を知っていれば、質問や回答をする際の指標になり、サイトへの参加がより楽しくなるのではないかと思います。

 次回は、オンラインでの開発コミュニケーションツールとして有名な「GitHub(ギットハブ)」を紹介します。

「海外Webサービスのトリセツ」バックナンバー

筆者プロフィール

下岡聡子

Nextremer 下岡聡子

Javaプログラマー、フリー翻訳者(英語・中国語)を経て、Nextremerにてインドでのグローバル受託開発システムのマネジメント、新規ビジネス企画担当。大学ではロシア語を専攻。

ITエンジニア向けの英語サービスも提供中。


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