本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。
「月刊エンジニアライフ」では、前月のエンジニアライフを振り返る。2009年3月1日から3月31日までの月間アクセスランキング、上位30位を見てみよう。
3月から新たに参加した久利隆太氏による『外資系ITベンダ採用担当者のつぶやき』が1位と4位に登場した。普段は見ることができない「採用視点」のリアルな話題に興味を引かれた読者が多かったようだ。
3位には、エンジニアライフの隠れた名コラムとして愛されてきた「老婆」こと元エンジニアX氏の、つらく悲しい過去の物語がランクイン。これに続く『さよなら夏の日』(3月31日公開のため、3月の月間ランキングには入らなかった)をもって、ひとまず彼女のコラムは店じまいとなった。
あたしの“お店”に来てくれたみんな、本当にありがとう。十分におもてなしができなくて申し訳なかったねぇ。
あたしがエンジニアから足を洗ってちょうど3年。ここに店開きしようと思ったきっかけは2つあったんだ。
1つは、一番思い出深いプロジェクトで一緒に仕事をした男の子と飲んだときのことさ。「Xさん、僕、もうイヤっすよ。こんな会社、辞めたいっす」って泣き言をいうんだ。彼の話を聞きながら、「あぁ、あたしは仕事の面白さや楽しさ、やりがいみたいなものを、この子とちゃんと話したことなんかなかったねぇ」って思ったんだ。なんだかそういうことを話すのが気恥ずかしくもあってねぇ。あたしは辞めるときに、この子たちに何も残していくことができなかったんじゃないかと思ったんだよ。だから、いつか機会があったら、仕事に賭ける人々の思いとか、生きがいとか、情熱とか、そういうことを伝えたかったんだ。
もう1つは、時々@ITに記事を書く元同僚がいてね。彼は、あたしがヒマさえありゃあ文章を書いているのを知っていたから、「@ITに何か書いてみれば?」ってすすめてくれたんだ。
あたしにとって『うらみ・ます』で起きたことは、書いた通りの物語だったけど、あの男にとってはどんな物語だったんだろうと思うことがある。それがどんな物語であっても、許せる日は来ないと思うけど、きっと全然違う物語がそこにはあるのかもしれないね。
仕事にせよ、恋愛にせよ、一生懸命になればなるほど、それを失ったときのダメージも大きい。一度、人間としてダメになったあたしは、情熱を傾けて生きていくことは怖いことだと思うようになったんだ。何も感じないように、期待しないように、精神的不感症になることが生きのびていくための知恵なんだと。二度と傷つかないために。
そして、熱を失った毎日を送りながら、「生きるだけならこれで十分だ」って、言い訳のように日々を食いつぶしている。でも、心の奥底で「お前はホントにそれでいいのかい? このまま人生の終わりまで流されていっていいのかい?」って声が聞こえるんだ。
どうやら迷い込んだ迷路は、意外と大きな泥沼だったようでねぇ。コラムでエラそうなこと書いておきながら、情けないことに、自分はどうやって抜け出せばいいのかと、もがき続けてるんだ。そして、時に泥水を飲みながら光を探してるんだ。
どこにでもいる老婆がつまづいて転んだ話を聞いてくれてありがとう。これが誰かの心に届いて何かを感じてくれたら、こんなにうれしいことはないよ。
今は見えないかもしれないけど、あんたもいっぱい宝石を持ってる。失ってみて初めて、ただのビー玉が宝石だったと気付くものかもしれないね。
またどこかで会えたらいいねぇ。その日のために、おいしいお酒の勉強でもしておくよ。
3月は前述の久利氏を含め、4人のコラムニストが新たに参加した。登場した日付順に紹介する。
名前 | コラムタイトル | コラム内容 |
---|---|---|
ましゅまろ | ましゅまろの「高校中退、飲食経験5年、IT業界未経験」 | 高校中退後、大検を取得し、飲食業に従事。その後、まったくの未経験でIT業界に飛び込んだ筆者が「未経験者のキャリアアップ」を語る |
第3バイオリン | オブリガート 〜感謝されるテストエンジニアになる〜 | 元開発、現在は評価でチーム働く筆者が、「テストエンジニア」のキャリアを考える |
kotora | 流浪なエンジニアもどきの日々 | ネットワークエンジニアを目指して勉強するも、仕事はエンジニアリングから遠のくばかりな「エンジニアもどき」の日常 |
久利隆太 | 外資系ITベンダ採用担当者のつぶやき | 某ITベンダの人事部で採用を担当する筆者が語る、「採用視点から見たエンジニアのキャリア」論 |
12月の月刊エンジニアライフで「女性コラムニストが増えてきた」と書いたが、3月も新規コラムニスト4人中3人が女性である。「未経験でIT業界へ」「開発からテストへ」「ネットワークエンジニアを目指す」という異なるバックグラウンドを持つ女性エンジニアたちを見ていると、男も負けていられないな、という気分になってくる。
3月に投稿されたコラムは全部で97本。新着コラムはエンジニアライフのトップページ、@IT自分戦略研究所のトップページ、各コラムのフッタに表示している。エンジニアライフ独自のRSSも配信中だ。コラムニスト一覧から、あなたが気になるコラムを探してみるのもいいだろう。
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