本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、設定ファイルの内容を確認するのに便利な「cat」コマンドです。
本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回紹介するコマンドは、ファイル内容を確認する際に便利に使える「cat」コマンドです。
catコマンドの“cat”は、「conCATenate(つなぐ、連結する)」のcatです。ファイルを連結するためのコマンドですが、ファイルの内容をサッと表示する際によく使われます。
Linuxの設定ファイルは、その多くがテキストファイルです。テキストエディタで表示してもよいのですが、うっかり書き換えてしまうのも怖いし、ちょっと見るだけならばcatコマンドが気軽に使えて便利です。
catコマンドの主なオプションは次の通りです。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-n | --number | 行番号を付け加える |
-b | --number-nonblank | 行番号を付け加える。ただし空白行には付けない |
-s | --squeeze-blank | 連続した空行を1行にする |
-v | --show-nonprinting | TAB、改行、改ページ以外の非表示文字を表示する |
-t | ― | 非表示文字を表示、TABを"^I"、用紙送りを"^L"とする |
-E | --show-ends | 行の最後に"$"を表示する |
-A | --show-all | 全ての非表示文字を表示する(-vETと同じ) |
-e | ― | TABを除く全ての非表示文字を表示する(-vEと同じ) |
「cat ファイル名」で、指定したファイルの内容を表示します。以下のcatコマンドでは設定ファイル「/etc/shells」の内容を参照し、使用できるシェルの種類を確認しています(画面1)。
cat /etc/shells
設定ファイルを眺める際には「5行目がこうなっていて、8行目がこうで……」のように、行番号が分かると読みやすくなります。ファイルの内容を行番号付きで表示したい場合は、「-n(--number)」オプションを使用します。以下のcatコマンドでは、設定ファイル「/etc/shells」の内容を行番号付きで表示しています(画面2)。
cat -n /etc/shells
catコマンドでは、ファイルが複数指定されていた場合は、そのまま連続して表示されます。これを「cat ファイル1 ファイル2 ファイル3 > 新しいファイル」のようにリダイレクトすることで、複数のファイルを連結して新しいファイルを作成することができます。以下のcatコマンドでは、「file1」と「file2」を連結して、新たに「newfile」を作成しています(画面3)。
cat file1 file2 > newfile
PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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