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Hyper-Vのバージョンその知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(4)(2/2 ページ)

先日、とある記事で「Hyper-V 3.1」という表現を目にし、思わず二度見してしまいました。おそらく編集時に入ったものと想像しますが「3.0」ならまだしも、「3.1」はないでしょう。新たな都市伝説にならないように、今回はHyper-Vのバージョンを取り上げます。

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Hyper-VをWindows 8からリモート管理するにはRSATが必要(ウソ!)

 どのバージョンのHyper-Vを使っているかは、標準の管理ツールである「Hyper-Vマネージャー」でHyper-Vをリモート管理する場合に大きく影響します。

 VMwareの場合、「vSphere Client」や「vSphere Web Client」から、複数バージョンのESX/ESXiホストを直接または「vCenter」経由で管理できます。Hyper-Vの場合、標準の管理ツールではこれができません。Hyper-VはOSの機能であるため、同じバージョンのWindowsで提供されるHyper-Vマネージャーを使用する必要があるのです。

 例えば、Windows Server 2012 R2 Hyper-VやMicrosoft Hyper-V Server 2012 R2をリモート管理するには、Windows Server 2012 R2のGUI使用サーバー(フルインストール)またはWindows 8.1に付属する最新のHyper-Vマネージャーを使用する必要があります。

 最新のHyper-Vマネージャーは、1世代前のWindows Server 2012 Hyper-Vの管理をサポートしていますが、それ以前のHyper-Vマネージャーは他のバージョンのHyper-Vの管理をサポートしていません。組み合わせによってはリモート管理が可能な場合もありますが、正常に管理できるとは限りません。

 ところで、Windows 8/8.1のPCから別のサーバーのHyper-Vをリモート管理する環境を準備する際、Hyper-Vマネージャーを利用可能にするためにWindows 8やWindows 8.1用の「リモートサーバー管理ツール」(Remote Server Administration Tool:RSAT)をインストールするように勧めている記事を見かけます。

 確かに、RSATを入れておけば、サーバーの管理には役立つかもしれません。しかし、リモートのHyper-Vを管理するために、RSATのインストールは必須ではありません。なぜなら、Windows 8やWindows 8.1用のRSATにはHyper-Vマネージャーが含まれないからです(画面6)。

画面6
画面6 Windows 8/8.1にRSATをインストールしても、「Hyper-Vマネージャー」は利用可能にならない

 Windows Vistaでは「Hyper-Vリモート管理更新プログラム」として、個別にダウンロード提供されました。Windows 7およびWindows 7 SP1の場合は、Windows 7やWindows 7 SP1用のRSATの一部としてHyper-Vマネージャーが提供されました。Windows 8およびWindows 8.1は、ProおよびEnterpriseエディションの機能としてHyper-Vマネージャーを含む「Hyper-V管理ツール」が標準搭載されています。必要なのは、RSATのインストールではなく、Hyper-V管理ツールの有効化になります(画面7)。

画面7
画面7 「Hyper-Vマネージャー」を利用するには、Windows 8/8.1のProおよびEnterpriseエディションで「Hyper-V管理ツール」の機能を有効にする。つまり、無印のWindows 8/8.1からはHyper-Vを管理できないということ
「その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説」バックナンバー

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2014)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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