Windows 8.1またはWindows 10の場合、お使いの環境によっては、接続済みのネットワークにネットワーク名がなく、ネットワークのプロパティページを開いても「デバイスとコンテンツの検索」も、ネットワークのプロパティ情報も一切表示されないという状況に遭遇するかもしれません(画面7)。筆者が最初にこの問題に遭遇したときには、「ネットワークの場所」を急いで切り替えようとしたこともあり、さすがに焦りました。
この問題は、64ビット版のWindows 8.1またはWindows 10のPro以上のエディションで「クライアントHyper-V」を有効にしており、接続済みのWi-Fiまたはイーサネット接続をHyper-V仮想スイッチで使用している場合に発生します。Windows 8.1の「PC設定」とWindows 10の「設定」は、Hyper-V仮想スイッチに接続するネットワークを検出しないという問題があるようです(画面8)。
「PC設定」や「設定」のネットワークのプロパティから「デバイスとコンテンツの検索」のオン/オフを切り替えることができないとなると、他の方法を探す必要があります。
一つのアイデアは、Hyper-V仮想スイッチをいったん削除して通常のネットワーク接続に戻し、「PC設定」や「設定」のネットワークのプロパティで「デバイスとコンテンツの検索」のオン/オフを切り替えてから、Hyper-V仮想スイッチを再作成する方法です。しかし、これはとても面倒な方法ですし、実行中の仮想マシンがある場合は、その仮想マシンのネットワーク接続にも影響します。
お勧めの方法は、Windows PowerShellの「Set-NetConnectionProfile」コマンドレットを使用した切り替え方法です。Windows PowerShellを管理者として開き、次のコマンドラインを実行すると、プライベートネットワークとパブリックネットワークの場所、つまり「デバイスとコンテンツの検索」のオン/オフを切り替えることができます(画面9)。
Set-NetConnectionProfile -Name "ネットワーク名" -NetworkCategory PrivateまたはPublic
「Set-NetConnectionProfile」は、Windows 8以降で共通で使用できるPowerShellコマンドレットです。複数バージョンのWindowsを管理する企業のIT担当者はこの方法を覚えておくと、「ネットワークの場所」の切り替え作業の負荷を軽減できるでしょう。「Set-NetConnectionProfile」コマンドレットの使用方法には、Windows 8、Windows 8.1、Windows 10で違いはないので、操作に気を使う必要もありません。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2015)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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