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“Windows XPのサポート終了のお知らせ”のお知らせ山市良のうぃんどうず日記(1)(2/2 ページ)

Windows関連のニュースは、情報源が英語の場合が多くなります。日本には日本の事情があるわけで、単に翻訳しただけでは事実とは違ってくることもあります。Windows XPの最近のニュースもその1つです。

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対象はWindows Updateで更新しているPCだけです

 多くのWindows XPクライアントを抱えている企業では、このメッセージがあちこちのPCで一斉に表示されるのはうんざりでしょう。こちらもニュース記事を見て、Windows Server Update Services(WSUS)があればブロックできる、ブロックする設定をしておかなければと考えるかもしれません。

 しかし、WSUSを既に導入済みであり、Windows XPがWSUSクライアントとして構成されていれば、メッセージをブロックするための作業なんてありません。なぜなら、更新プログラム「Windows XPのサポート終了のお知らせ(KB2934207)」は、Windows Update(Microsoft Updateにアップグレードしている場合も含む)だけに配信されるものだからです。

 マイクロソフトダウンロードセンターからは個別にダウンロード提供はされていませんし、WSUSに同期される更新プログラムには含まれません。WSUSに依存するSystem Center Configuration Manager(SCCM)や、クラウドベースのWindows Intuneを通じて更新しているPCにも、この更新プログラムが配信されることはありません。

まじめな話、5月14日からのXPは本当に危険

 緊急度の高い脆弱性が見つからない限り、1カ月先の2014年5月14日にあるWindowsの定例アップデートまではリスクは変わらないでしょう。しかし、5月14日以降、Windows XPを使い続けるリスクは急激に高まると予想します。なぜなら、Windows XPと共通の部分が多いWindows Server 2003は2015年7月までサポートが続くからです。

 以下のサイトで2014年3月のセキュリティ情報を確認してみてください(画面4)。Windows Server 2003に影響する脆弱性は、全てWindows XPにも影響していることが分かるでしょう。

画面4
画面4 2014年3月のセキュリティ情報は、Windows Server 2003とWindows XPで一致。5月からはこのリストからWindows XPが消えるが、Windows Server 2003に影響する問題のほとんどは、おそらくWindows XPにも影響するはず

 緊急度の高い脆弱性が発見されても、サポートが終了したWindows XPへの影響は公表されないでしょう。しかし、毎月公表されるWindows Server 2003に影響する脆弱性の多くは、Windows XPにも同じように影響すると容易に想像できます。攻撃者は、ゼロデイ攻撃に利用できるかもしれないWindows XPの未パッチの脆弱性の可能性を、少なくとも2015年7月までは毎月手に入れることができるのです。

「山市良のうぃんどうず日記」バックナンバー

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2014)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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