2014年10月に「Windows Server Technical Preview(ビルド9841)」が公開されて以降、次期Windows Serverの新しいプレビュービルドは公開されていませんでしたが、いよいよ次のプレビューが2015年5月に一般公開されることになりました。
2014年10月に「Windows 10 Technical Preview」「Windows Server Technical Preview」および「Hyper-V Server Technical Preview」(いずれもビルド9841)が一般公開されてから半年が経ちました。
Windows 10 Technical Previewについては、何度も新しいプレビュービルドが提供され、現在は新しいWebブラウザー「Project Spartan」がお披露目された「ビルド10049」を評価できます。Windows 10は2015年夏には正式リリースされる予定です。
一方、次期Windows Serverは正式リリースが2015年から2016年に先送りされ、2015年初めに提供予定だった次のプレビュービルドも2015年春へと先延ばしにされました。2015年春はその後、「2015年5月」であることが明らかになりました。
Windows Server Technical PreviewおよびHyper-V Server Technical Previewは「2015年2月15日」までを評価期限として提供されましたが、ライセンス認証上は「2015年4月15日いっぱい」(協定世界時)、日本国内なら「4月16日8時59分59秒」まで利用可能でした。
そして評価期限が近づくと、Windowsにサインインするたびに以下のメッセージが表示されるようになりました(画面1)。このまま評価期限が切れると、数時間ごとに自動的に再起動するようになるそうです。
This build of Windows will expire soon
GUI(Graphical User Interface)を持たない「Server Core」インストールやHyper-V Server Technical Previewの場合は、評価期限が近づいているというメッセージを表示する機能を持っていないようで、サインイン時に以下のようなメッセージが表示されるようになりました(画面2)。
Windows cannot find 'C:\windows\syste32\licensingUI.exe'
ライセンス認証が原因でエラーが表示されるという現象は、プレビュー版を評価中の方にとっては意味不明だったと思います。このエラーは、正式版のWindows ServerのServer Coreインストールでライセンス認証に問題があった際にも表示されるかもしれませんので、覚えておくとよいでしょう。
2015年4月16日以降もWindows Server Technical Previewの評価を続けたい人のために、マイクロソフトは以下の更新プログラム「KB3056022」を公開しました。この更新プログラムをインストールすることで、評価期限を「2015年10月1日」(日本時間では10月2日8時59分59秒まで)まで延長することができます(画面3)。
なお、Windows Server Technical PreviewのServer CoreインストールおよびHyper-V Server Technical Previewの場合は、「Microsoft Updateスタンドアロンパッケージ」(Windows6.4-KB3056022-x64.msu)で更新プログラムをインストールすることができません。これらには「DISM」コマンドを使用して、更新プログラムのパッケージ(Windows6.4-KB3056022-x64.cab)をインストールする必要があることに注意してください。
今年になってから、「Windows Server Technical Preview 2」という表記を目にすることが何度かありました。マイクロソフトは次のプレビュービルドを「Next Preview」としか表現していません。これは、次のプレビュービルドを示しているのでしょうか。そうかもしれませんし、そうではないかもしれません。筆者は全く知りませんが、ちょっと妄想してみました。
実は、Windows Server Technical Preview 2は一般提供されていないだけで、“すでに存在する”ようなのです。Windows 10 Technical Previewに複数のビルドが存在するように、Windows Server Technical Preview 2として日々新しいビルドが生まれているものと想像します。
2015年3月11日(日本時間)のWindows Updateでは、筆者が評価中の64ビット版Windows 10 Technical Preview(ビルド9926)向けに「2015年3月の悪意のあるソフトウエアの削除ツール」が配信されました。その更新プログラムの名前は「Windows Malicious Software Removal Tool for Windows Technical Preview and Server Technical Preview 2 x64 - March 2015(KB890830)」でした(画面4)。
さらに、「Microsoft Updateカタログサイト」で「Windows Server Technical Preview 2」を検索してみると、2015年1月以降、Windows Server Technical Preview 2向けの更新プログラムが提供されていることが分かります。
個別のサポート技術情報を確認すると、どうやらWindows Serverのビルド9926以降は、Windows Server Technical Preview 2という名前になっているようです。時期的に見て2015年1月に一般公開されるはずだったものが、Windows Server Technical Preview 2らしいです(画面5)。ちなみに、現在のWindows Server Technical Previewに対する重要な更新は2015年1月以降、提供されていません。
いずれにせよ、5月になれば一般公開される新しいプレビュー版を何と呼べばよいのかはっきりします。もしかしたら「Technical Preview」や「Technical Preview 2」という表現ではなく、全く別の「○○Preview」になるかも……。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2015)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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