デスクトップ全体へのリモートデスクトップ接続は、「ログオン(サインイン)」「切断」「ログアウト(サインアウト)」のいずれかで、セッションを接続または切断することができます。RemoteAppの場合、1つ目のアプリケーションの実行でログオンが行われ、2つ目以降のアプリケーションの実行は同じセッション内で行われます。アプリケーションを終了しても、既定ではセッションはサーバが再起動されるか、デスクトップ全体に接続してログアウト操作するまで維持されます。
Active Directoryドメインベースの標準的なリモートデスクトップサービスの展開では、標準の管理ツールを使用してセッションの時間制限や切断の動作をカスタマイズできますが、スタンドアロン環境ではそれができません。対策は、「ローカルコンピューターポリシー」によるカスタマイズです。例えば、アプリケーションを終了したら短時間でセッションも終了する(ログオフする)ようにしたいのであれば、次のポリシーを構成します。これにより、アプリケーション終了後、最短1分でセッションを終了させることができます。
筆者も先日まで気付かなかったのですが、リモートデスクトップ接続では、カーソルの点滅設定(「コントロールパネル」→「キーボード」→「速度」→「カーソルの点滅速度」)に関係なく、カーソルの点滅は無効化されます。
主に入力業務を行うアプリケーションの場合、カーソルが点滅していないと、現在のフォーカスがどこにあるのか分かりにくい場合があります。RemoteApp接続の場合は、それがさらに分かりにくくなります(画面5)。
リモートデスクトップ接続でカーソルの点滅が無効になるのは、リモートデスクトップ接続のネットワーク使用帯域を節約するためのWindows Server 2003およびWindows XPからの既定の仕様のようです。確認してみたところ、Windows 2000 Serverまでは何も設定しなくても、リモートデスクトップ接続のセッションでカーソルは点滅していました。
この既定の動作を解除し、カーソルを点滅するようにするには、サーバ側に次のレジストリ値を作成します(画面6)。
コマンドプロンプトを管理者として開き、次の1行のコマンドラインを実行すれば、上記のレジストリ値を簡単に作成できます。
REG ADD "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server" /v "CursorBlinkEnable" /t REG_SZ /d 1
絶えず変化するWindows 10に、業務アプリケーションをその都度対応させていくのは大変な作業です。しかし、RemoteAppテクノロジーを利用して業務アプリケーションの環境を全てサーバ側に置いてしまえば、クライアント側の変更なんて「どんと来い」です。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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