WindowsとFlash Playerの関係、そして空白の1カ月その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(52)(2/2 ページ)

» 2016年02月23日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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悲報! Windows 8のIE 10用Flash Playerは「20.0.0.272」で更新ストップ

 Windows 8のサポートは「2016年1月」に終了しました。今後、セキュリティ更新を受けるためには、Windows 8.1以降にアップグレードする必要があります。

 2016年2月のWindows Updateで、Windows 8に対してFlash Playerの更新プログラムが提供されることはありませんでした。そのため、Windows 8のIE 10で利用できるFlash Playerは、2016年1月のWindows Updateで提供されたバージョン「20.0.0.272」が最後になり、今後、更新されることは恐らくないでしょう。

 もし、どうしてもWindows 8を使い続けなければならない理由があるのなら、FirefoxやChromeなど、最新のFlash Playerを利用できる別のWebブラウザを使用することを考えてください(画面3)。

画面3 画面3 Windows 8のIE 10向けのFlash Playerは、2016年1月に更新されたバージョン「20.0.0.272」で最後ということになる

Windows Server 2012/2012 R2にはFlash Playerをインストールできない?

 皆さんは、Windows Server 2012以降のWindows ServerのIEで、Flash Playerを利用する必要があるでしょうか。現在、IE用のFlash Playerがインストールされていないのであれば、アドビのWebサイトからIE用のFlash Playerをダウンロードしてインストールを開始してみましょう。すると、インストール中にエラーが発生して失敗するはずです(画面4)。

画面4 画面4 Windows Server 2012/2012 R2にIE用のFlash Playerをインストールしようとしてもエラーに

 実は、Windows Server 2012以降のWindows Serverもまた、Flash Playerの提供形態はWindows 8以降と同様の扱いになっています。つまり、Flash PlayerはWindows Server 2012以降に同梱され、更新はWindows Updateを通じて行われるのです。

 「Microsoft Updateカタログ」(http://catalog.update.microsoft.com/)を利用すると、Windows Updateで提供される特定の更新プログラムを、個別にダウンロードして手動でインストールすることができます。

 Windows Server 2012以降のIE用のFlash Playerの最新版はここから入手できますが、通常方法でWindows Serverをインストール(「GUI使用サーバ」オプションでのインストール)した環境にインストールしようとしても、「この更新プログラムはお使いのコンピュータには適用できません」と表示されることがあります(画面5)。これはなぜかというと、Windows ServerにIE用のFlash Playerがインストールされていないからです。

画面5 画面5 Windows Server 2012以降にIE用のFlash Playerの更新プログラムをインストールしようとしてもできないのはなぜ?

Windows Server 2012のFlash Playerは「デスクトップエクスペリエンス」の機能に含まれる

 先ほど、Flash PlayerはWindows Server 2012以降に同梱されていると説明したばかりなのに、Flash Playerがインストールされていないというのは矛盾していると思うかもしれません。

 Windows Server 2012以降のIE用のFlash Playerは、既定ではインストールされません。IE用のFlash Playerは、「デスクトップエクスペリエンス」の機能の一部として提供されます(画面6)。そして、「デスクトップエクスペリエンス」の機能は、明示的に追加しない限り、インストールされないのです。

画面6 画面6 Windows Server 2012以降のWindows Serverでは、「デスクトップエクスペリエンス」の機能にFlash Playerが含まれる

 「デスクトップエクスペリエンス」の機能は、Windows Media Player、同期センター、サウンドレコーダー、文字コード表、Snipping Tool、Windowsストアアプリ、ディスククリーンアップなどの、WindowsデスクトップOSのエクスペリエンス機能をWindows Serverでサポートするものです。通常、リモートデスクトップサービスのセッションホストには、「デスクトップエクスペリエンス」機能をインストールします。

 Windows Server 2012以降に「デスクトップエクスペリエンス」の機能がインストールされていれば、IE用のFlash Playerが追加され、Windows Updateを通じてIE用のFlash Playerの更新が提供されるようになります。

 IE用のFlash Playerだけが必要で、「デスクトップエクスペリエンス」の他の機能は必要ないという場合は、Google ChromeやFirefoxなど別のWebブラウザをインストールしてFlash Playerを利用可能にすることを検討してみてはいかがでしょうか。

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筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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