Windows標準の「リモートデスクトップ接続クライアント」(Mstsc.exe)は、Windows 7 SP1はRDP 7.1、Windows 8はRDP 8.0、Windows 8.1はRDP 8.1というように、OSリリース時点で最新バージョンのRDPに対応しています。また、マイクロソフトはWindows 7 SP1に対してリモートデスクトップ接続クライアントをRDP 8.0対応にする更新プログラム、RDP 8.1対応にする更新プログラムを提供しています。
Windows 8(Windows RTを含む)およびWindows 8.1(Windows RTを含む)に対しては、Windowsストアを通じて「リモートデスクトップ」アプリが無償提供されていますが、このアプリが対応するRDPは“OSのRDPと同じバージョン”になります。そして、Windows 8に対してRDP 8.1対応の更新プログラムが提供されることはなさそうです。
この他、マイクロソフトから提供されるRDPクライアントとしては、RDP 7.1互換のAndroid、iOS、Mac OS X用のMicrosoft Remote Desktopアプリがあります。RDP 7.1互換でもよいから、LinuxにもRDPクライアントを提供してほしい思う人もいるかもしれません。
前回も触れたように、Android、iOS、Mac OS X用のアプリは他社製品を取得したものです。以前、その会社はLinux用のアプリも販売していたようですが、マイクロソフトが取得した際には既に生産が終了していたようです。
マイクロソフトが提供しなくても、サードパーティの有償/無償アプリやシンクライアント専用端末の組み込みOS、オープンソースのソフトウェアなど、RDP互換クライアントは幾つかあります。Linuxの場合、比較的新しいディストリビューションであれば、デスクトップコンポーネントと一緒に「FreeRDP」(xfreerdp)が標準でインストールされていますし、標準でインストールされていなくても簡単に追加することができます(画面7)。
オープンソースのFreeRDPは、ネットワークレベル認証やRDゲートウェイ、RemoteApp、RemoteFX仮想GPUに対応したクロスプラットフォーム(Linux、Windows、モバイル)のRDP 7.1互換クライアントです。ちなみに、FreeRDPの将来のバージョンでは、Hyper-Vの仮想マシンのコンソールに接続する機能が追加されるようです。
山市 良(やまいち りょう)
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2014)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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