“Windows 10へのアップグレード:失敗”はエラーではなかった――アップグレードインストールの簡単まとめ山市良のうぃんどうず日記(45)(3/3 ページ)

» 2015年08月18日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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トラブル発生! Wi-Fiデバイスはあるのに、Wi-Fiに接続できない

 Windows 10へのアップグレードが完了したら、「デバイスマネージャー」を開いて各デバイスが正しく認識されているかどうか、正しく動作しているかどうか(「!」アイコンがないかどうか)を確認しましょう。また、以前のWindowsで使用していたアプリケーションも実行してみて、正しく起動すること、動作することを確認しましょう。

 筆者のノートPCの場合、「デバイスマネージャー」上で問題が発生しているデバイスはなく、キーボードを除く全てのデバイスが正しく認識されているようでした。Bluetoothデバイスのペアリングも問題なく、これまで使用していたBluetoothマウスもそのまま使用できています。キーボードはなぜか別メーカーの「Lenovo ThinkPad PS/2 Keyboard」として認識されていました。キー配列に違いはなさそうなのでこのままでも問題はないかもしれませんが、一応「ドライバーソフトウエアの更新」を実行して「日本語PS/2キーボード(106/109キー)」に変更しておきました。

 デバイスもアプリも全て問題なさそうでしたが、実は、Wi-Fi(無線LAN)関連の設定を行おうとしても、設定できないことに気が付きました(画面14)。「デバイスマネージャー」や「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワーク接続」では、Wi-Fiデバイスは問題なく動作しているように見えます。しかし、タスクバーの「ネットワーク設定」や「アクションセンター」、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fiおよび機内モード」では、Wi-Fiデバイスが存在しないことになっています。

画面14 画面14 Windows 10へのアップグレード後、Wi-Fi接続が不能に

 筆者のノートPCの場合、「デバイスマネージャー」で問題のWi-Fiデバイスをドライバーとともに削除して、再検出させることで問題を解消することができました(画面15)。ただし、このノートPCは有線LAN接続も有効であったため、Windows Updateからドライバーをインストールしているかもしれないこの方法が使用できました。もし、Wi-Fi接続しかなかったとしたら、こんなに簡単に問題を解消できたかどうか分かりません。

画面15 画面15 問題のデバイスをドライバーとともに削除して、再検出させたところ、問題は解消された

 このノートPCの問題とは原因が異なりますが、Windows 8.1でインストールされていた古いVPN(Virtual Private Network)クライアントソフトウエアが原因で、Wi-Fi接続が失われるという既知の問題もあるようです。筆者の問題を解決しようと、ネットを検索していたときに見つけました。VPNクライアントを使っていた方はご注意ください。

 アップグレードを予約していて、まだWindows 10にアップグレードしていないという人は、通知が来ても慌ててアップグレードせずに、PCメーカーの情報や同じモデル、特定のハードウエア、アプリケーションの互換性(アップグレード成功、失敗)などの情報を収集してからアップグレードを開始するようにしましょう。

 もちろん、今使っているWindowsに戻れるように、アップグレード前にはシステムイメージのバックアップを作成しておくことを強くお勧めします。Windows 10にアップグレードしても1カ月以内であれば簡単な方法で以前のWindowsに戻すことができますが、戻す操作が失敗しないとも限りません。

「Windows DVDプレーヤー」アプリは対象PCに無料提供

 最後にWindows 10の「Windows DVDプレーヤー」に関するウワサについてです。“Windows 10からDVD再生機能が削除される”“Windows Media Centerの代替となる「Windows DVDプレーヤー」アプリは有料で1500円”といった情報が独り歩きしているようです(画面16)。

画面16 画面16 マイクロソフトが提供するDVD再生アプリ。お使いのPCが無料提供の対象となっている場合は、ストアから購入しないように

 DVD再生機能(MPEG-2デコーダー)が削除されたのはWindows 8からで、Windows 8 ProおよびWindows 8.1 Proは別製品の「Media Center Pack」でDVD再生機能を持つ「Windows Media Center」を追加できました。Windows 10への無料アップグレード対象になっているWindows 8.1、Windows 8.1 ProはもともとDVD再生機能を標準搭載していません。

 無料アップグレード対象のPCがDVD再生機能を含むWindows Media Centerを搭載したWindowsを実行していた場合、つまり、Windows 7 Ultimate、Windows 7 Professional、Windows 7 Home Premium、Windows 8.1 Pro with Media Centerを実行していた場合、「Windows DVDプレーヤー」アプリが期間限定で無料提供されます。

 Windows 8.1 Pro with Media CenterからWindows 10にアップグレードした筆者のPCの場合、最初のWindows Updateで「Windows DVDプレーヤー」アプリが自動的にインストールされました(画面17)。「ストア」を開いてアプリを購入するといった手続きは不要です。無料提供の対象となっているPCで、誤って購入してしまわないようにご注意ください。

 また、「Windows DVDプレーヤー」アプリは光学メディアから動画を再生できるだけのシンプルなものです。Windows Media Centerの代替と考えていると、がっかりするかもしれません。例えば、Windows Media Centerで録画したデータを再生することはできません。Windows 10にアップグレード後も録画データを再生したい場合は、Windows 10にアップグレードする前に、光学メディア(DVDなど)にダビングまたは移動(ムーブ)しておく必要があるでしょう。

画面17 画面17 Windows Updateによる更新と同時に、「Windows DVDプレーヤー」アプリが自動的に追加された
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筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2015)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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