「Windows as a Service(サービスとしてのWindows)」となったWindows 10に関しては、謎の部分が結構あります。サポート期間もその一つでしょう。
2015年7月にリリースされたWindows 10のサポート期限は、マイクロソフトのWebサイトによるとメインストリームサポートが2020年10月14日まで、延長サポートが2025年10月15日までとなっています。
2015年7月のリリース時の「ビルド10240」のまま、機能アップグレードが提供されない「Long Term Servicing Branch(LTSB、固定化モデル)」である「Windows 10 Enterprise 2015 LTSB」は、このサポート期間で納得です。
しかし、Windows as a Serviceとして永遠にアップグレードが続く(はずの)「Current Branch(CB、最適化モデル)」および「Current Branch for Business(CBB、企業向け最適化モデル)」は、本当にこのサポート期間なのでしょうか(画面2)。アップグレードを続ける限り、サポート期間も延長されていくと思うのです。この辺りのポリシーは、今後、明確になると期待しています。
気になるのは、CBおよびCBBのWindows 10に対して、更新プログラムのサポートが提供される期間の方です。CBは最新の機能アップデートおよび更新プログラムが適用されていることが前提です。CBBはそれを最大8カ月延長できることになっています。1つのビルドは8カ月後にサポートされなくなるということなのでしょうか。
つまり、2015年7月にリリースされたWindows 10のRTM(Release To Manufacturing)バージョンであるビルド10240に更新プログラムが提供されるのは、8カ月後の2016年3月までということなのでしょうか。
先日リリースされた「System Center Configuration Manager 1511」に、このことに関連する興味深い画面をみつけました。System Center Configuration Manager 1511は、Windows 10に対する新しいビルドの展開の詳細な制御が可能ですが、その機能を提供する「Windows 10のサービス(Windows 10 Servicing)」のダッシュボードに、ビルドのサポートライフサイクルを視覚化したものがありました。
Windows 10のRTMバージョンである「ビルド10240」(System Center Configuration Managerの画面上ではバージョン1507)は、2016年3月から「有効期間の終了間近」というステータスになっているのです(画面3)。
「有効期間の終了間近」というのは、おそらくCBに対する新しいビルドの提供がきっちり4カ月ごとではなく、後ろにずれることがあるからだと想像します。CBに対してバージョン1511の次のビルドが提供された時点で、二つ前のサポートライフサイクルが終了ということになるようです。
その時点できっちりサポートが終了するのか、それともある程度の猶予期間があるのかは現時点では分かりません。新しいビルドが登場するはずの2016年3月ごろにはその辺りも明らかになると思います。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。
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